半導体もセンサーも一体化するMEMSの革新性――小さなセンサーが巨大産業に 2

執筆者:船木春仁 2007年4月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 仙台市青葉山の東北大学工学部。大学院工学研究科教授の江刺正喜の研究室はいつも、江刺にアドバイスを求める来訪客の順番待ちが続く。相談件数は年間二五〇件。しかも江刺研究室は、この一七年間に、国内外の九三の企業から一二八人もの研究生を受け入れてきた。「MEMS(メムス)の研究は、互いの知のコラボレーションなしにはあり得ず、研究室は基本的にすべての情報を公開する」と江刺。「これが派遣企業の実績ですわ」と見せてくれたA4判一枚の紙には、トヨタ自動車、ダイムラー・クライスラー、日立製作所、デンソー、松下電器産業、ソニー、サムスン電子などなど、著名な企業がきら星のごとく並んでいた。 江刺のいうMEMS(Micro Electro Mechanical Systems=微小電気機械システム)とは、半導体の微細化・集積化技術を応用して電子回路だけでなくマイクロサイズのセンサーやモーター、歯車なども一体的に作り込んでしまう技術だ。半導体が電子回路の集積であるのに対して、さまざまな物理的・機械的な機能も組み込まれているのがMEMSだ。そのために半導体製造で使われるエッチング(薬品による基板の削り込み)をベースに、精密機器用のプレス加工や、電子を飛ばして削る方法などを駆使している。

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