NATOとの協力は必要だが油断禁物

安倍首相はNATO本部で協力を謳った。だが自衛隊の海外任務で犠牲者が出れば世論は急変しかねない。覚悟と準備あってのことなのか。 遥けくも来にし道かな。 訪欧中の安倍晋三首相が一月十二日、北大西洋理事会(NAC、いわゆるNATO=北大西洋条約機構=理事会)に日本の指導者として初登場、初演説したとき、筆者が抱いた感慨だ。首相はまず、「日本は、国際社会のためになすべきことを実行する用意がある」と切り出し、「日本とNATOはパートナー」で、「紛争に際して平和の定着を目指し、これまで以上に互いに持てる能力を発揮し共に行動する必要があります」と語った。明快なメッセージである。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
佐瀬昌盛(させまさもり) 防衛大学校名誉教授。1934年生れ。東京大学大学院修了。成蹊大学助教授、防衛大学校教授、拓殖大学海外事情研究所所長などを歴任。『NATO―21世紀からの世界戦略』(文春新書)、『集団的自衛権―論争のために』(PHP新書)など著書多数。
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