北京の「毒卵」と評された国家大劇院 大批判が意味するものとは?

2007年5月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

「五万トンの水を蓄えた下に劇場を配置して、仮にテロに遭えば、どのような惨事を招くのか」「古都北京の景観にまったくそぐわない。まるで黄身の漏れ出した毒卵だ」――人民大会堂西隣に建設中の「国家大劇院」に、批判が飛び交った。奇抜なデザインや豪華設備を競って財政資金を浪費、人民の怒りを買っている政府機関ビルや公共建築を厳しく批判し、今後の建設を禁じた中国の胡錦濤政権。三月に開いた全国人民代表大会(全人代)と全国政治協商会議のいわゆる「両会」では、胡の決定に乗じたかの如く、複数の代表から首都の三大浪費として国家大劇院、北京五輪のメインスタジアム(通称「鳥の巣」)、中央電視台(CCTV=国営テレビ局)の新本社が槍玉にあがった。 中でも、江沢民前総書記が小蜜(若い愛人)である海軍政治部歌舞団所属の歌手、宋祖英にプレゼントしたと揶揄される国家大劇院への批判は要注目だ。二〇〇四年に胡系統の中国共産主義青年団の機関紙「中国青年報」が一度だけ安全性に疑問を呈する記事を載せたが、江周辺から「強烈な圧力を受け」、批判はタブーとなっていたからだ。 ただ、多くの人民は国家大劇院批判が行なわれたのを知らない。党中央宣伝部が両会に際して通達した「和諧(調和)を破壊するような報道は慎め」に抵触したためだ。国内向け一般報道はなく、幹部向け内部通信のみが「毒卵」批判などを伝えた。

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