米大統領選出馬一番乗り「クルーズ上院議員」の戦略

足立正彦
執筆者:足立正彦 2015年3月27日
カテゴリ: 国際 政治
エリア: 北米

 連邦政府の大規模な財政支出に反対し、「小さな政府」の実現を求める保守系有権者の草の根運動であるティーパーティー(茶会党)。その支援を受けるかたちで2012年のテキサス州連邦上院議員選挙で勝利して以来、オバマ政権や民主党に対して敵対的姿勢を鮮明にし続け、保守理念に基づいて自らが所属する共和党の議会指導部をも突き上げてきた保守派政治家のテッド・クルーズ上院議員が、共和、民主両党を通じて有力政治家として初めて、2016年大統領選挙への出馬を3月23日に正式表明した。

 クルーズ氏はカナダのアルバータ州カルガリーで、キューバからの移民である父親と米国人の母親の間に生まれた。プリンストン大学、ハーバード大学法科大学院を経て、ケイ・ベイリー・ハッチソン上院議員(共和党)の政界引退に伴う選挙にテキサス州訟務長官から転身して出馬し、勝利した。現在44歳のヒスパニック系政治家である。

 

共和党指導部をも批判

 クルーズ氏が全米の注目を浴びる契機となったのは、2013年秋の2014会計年度予算案を巡る与野党対立であった。医療保険改革関連法(オバマケア)関連の予算案が盛り込まれていたため、共和党保守派議員が猛反発。その結果、予算案を新会計年度がスタートする10月1日までに成立させることができず、連邦政府機関の一部が16日間閉鎖される事態に至った。その際、オバマ政権との全面対決姿勢を明確にして主導的役割を果たしたのがクルーズ氏であった。クルーズ氏は上院本会議で実に21時間にも及ぶフィリバスタリング(議事進行妨害演説)を行ったのだ。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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