回り道から生れたカメラの難題「手ブレ」解決法――小さなセンサーが巨大産業に 3

執筆者:船木春仁 2007年5月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 写真を撮る風景が変わった。かつてのようにカメラのファインダーを覗きこんで脇を固めている人は少なくなり、デジタルカメラを突き出すように両手で持ち、背面の液晶画面を見ながらシャッターを押している人がほとんどだ。 コンパクトタイプのデジカメならば薄く軽いので、シャッターを押す力でカメラが傾き、必然的に手ブレを起こしやすい。にもかかわらず、撮影された画像はきれいに仕上がっている。自動絞り(AE)や自動焦点合わせ(AF)の機能はもはや当たり前。各種の撮影環境に最適な設定をプログラムしたモード設定も充実している。そして手ブレの自動補正機能がついたことで、「誰もが、見たままの情景を、そのままの姿で手に入れる」ことができるようになった。もはや写真撮影のための基本的なハンディキャップはなくなったと言ってもよい。 手ブレ補正機能は、ビデオカメラではすでに当たり前の機能で、それがために、機能が備えられていることさえ知らない人も多い。それがデジカメで再び商品機能として注目され、「性能価値」と認識されたのは、つい最近のことだ。松下電器の「LUMIX」シリーズによってである。 列車に乗って旅をする歌手の浜崎あゆみが、揺れながら車窓の景色を撮っても手ブレ写真にならないCMで火がつき、特に二〇〇四年に投入された「LUMIX FX7」は、薄型ボディ・大型液晶・五〇〇万画素という売れ筋三要素を備えたこともあり、八カ月間にわたって売上ランキングの首位を独走する。これで手ブレ補正が再認識され、デジカメでも当たり前の機能になった。

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