「交渉相手国はいずこ」米韓FTAに焦る台湾

2007年5月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス

 米国と韓国が自由貿易協定(FTA)締結交渉で妥結したことで、台湾当局が焦りを強めている。台湾は半導体や液晶パネルなどハイテク製品の輸出で韓国と競合関係にあり、今後の対米輸出でハンディを負うのは確実。経済部(経済省)は台湾のGDP(域内総生産)成長率を〇・〇五ポイント押し下げる要因になると試算する。 台湾も二国・地域間FTAの重要性はよく理解しており、パナマなど三カ国と締結し、三カ国と交渉中だ。しかし、対象は外交関係のある中南米の小国ばかり。「WTOの正式メンバーである台湾はFTA締結の権利を持つ」(陳水扁総統)と主張するが、中国を気にする主要国の反応は冷たい。 台湾は中国、日本に次ぐ第三の貿易相手で、中国の意向を無視する政治力もある米国に期待する。二〇〇六年五月にバティアUSTR次席代表が訪台した際には陳総統が自ら面会したが、「韓国との交渉で人手が足りない」とあしらわれた。台湾のある閣僚は「北朝鮮の核問題を抱え、中国を刺激したくないのが米国の本音だ」と憤る。 第二の貿易相手である日本は「双方とも工業製品が輸出の中心なので米国よりも交渉しやすい」(総統府筋)。〇一年には担当閣僚が民間レベルでの共同研究で合意し、日本側は日本経団連が事実上の窓口を務めてきた。だが、〇六年十二月、FTAを含む経済協定の初歩である「投資協定」を検討することでようやく合意した段階にとどまる。

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