やがてニューヨークを抜き、世界一の金融センターの座をうかがうロンドン。いま活況を呈するこの街の姿をイギリスきってのジャーナリストが描く。踊る倫敦――。[ロンドン発]踊るロンドン――一九六〇年代、ロンドンは世界の文化の中心だった。ビートルズ、ファッション、学生運動、映画、自由奔放な若者……堅苦しい帝国主義のイメージをかなぐり捨て、イギリスが目の前の快楽を追って“今を生きた”時代だった。 そして再び、ロンドンがスウィングし始めている。ただし、六〇年代と違い、現代のロンドンが先端を走るのはファッションや娯楽ではない。いまやロンドンは、世界で最も重要な金融とビジネスの中心として、ニューヨークの地位を脅かすまでになっている。大英帝国の絶頂期が過ぎて以来、今日ほど、この古い街が忙しく活気に満ち、豊かで、世界に影響力をもったことはない。
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