「総合取引所」は東京市場復活の切り札になるか

執筆者: 2007年6月号
エリア: アジア

証券と商品を一体化した、世界にもほとんど例のない取引所構想が走り出した。官邸、官庁、取引所それぞれの思惑を抱えながら――。 株式だけでなく商品先物や様々な金融派生商品(デリバティブ)を一手に扱う「総合取引所」を創設する構想が動き出した。政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)が四月十七日に打ち出したもので、東京をロンドンやニューヨークと並ぶ国際的な競争力のある金融・資本市場にするための“切り札”と位置づけている。縦割りになっている監督官庁の抵抗は激しく、株式会社化している各取引所の思惑も交錯しており、実現への道のりは険しい。だが、東京市場の地盤沈下が進む中で、起死回生のラストチャンスなのも確かだ。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top