慎重居士をかなぐり捨てた「森ビルの弟」

執筆者:杜耕次 2007年6月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

いまさらのように携帯電話事業の支援に打って出た森トラスト。相次いで大がかりな投資を繰り広げる総帥・森章社長の成算は――。

 携帯電話事業への新規参入を目指していた「アイピーモバイル」(東京・千代田区)。資金調達が難航して今年春の予定だったデータ通信サービス開始のメドが立たず、四月八日には日本経済新聞朝刊一面で「新規参入を断念し、割り当てを受けていた携帯用周波数を近く総務省に返上する」と報じられた会社である。

 その報道から二日後の四月十日、同社社長の杉村五男は記者会見を開き、「資金面で安心できる状況になった」と参入準備の継続を表明した。断念の意向が覆ったのは新たなスポンサーの登場が理由。支援の手を差し伸べたのは不動産デベロッパーの森トラストである。

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