元首相二人を“追放”したバングラデシュ異常事態の背景

2007年6月号
カテゴリ: 国際

 ともに首相経験者である二大政党の女性党首が事実上の国外追放になるという異常事態に陥っていたバングラデシュで、選挙管理内閣は四月二十五日、旧野党のアワミ連盟(AL)党首のシェイク・ハシナ元首相(五九)の帰国禁止措置を解除。同時に、旧与党のバングラデシュ民族主義党(BNP)党首のカレダ・ジア前首相(六一)にも亡命するよう圧力をかけたことはないと否定した。 これを受けてハシナ元首相は五月七日、滞在していたアメリカから首都ダッカに戻った。一方、ジア前首相は長期滞在ビザを得たサウジアラビアに移っており、今後の展開は読めない。選管内閣は、ジア前首相が「四十八の銀行口座」を持つと暴露、ハシナ元首相も未報告の父親名義の口座に四十二万ドル(約五千万円)の預金があると発表しており、二人を何らかの罪に問う可能性はある。 バングラデシュでは、一九九〇年代から二大政党のALとBNPが政権交代を繰り返してきたが、昨年から与野党の対立が暴動に発展する事態となり、今年一月、非常事態宣言が出され、一月二十二日に予定されていた総選挙は無期延期となった。 ハシナ元首相は一九七五年のクーデターで殺害されたムジブル・ラーマン初代大統領の長女で、ジア前首相は、このクーデターで政権を握ったジアウル・ラーマン元大統領の妻という因縁の関係にある。

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