混迷の空港(上)「アジア・オープンスカイ構想」の顛末

執筆者:吉野源太郎 2007年7月号
エリア: アジア

――羽田国際化の足を引っ張った「日本村」の構造――【序曲】突然、大号令 今年になってにわかに盛り上がった羽田空港国際化構想。賛否激しくぶつかり合った経緯の中に、政官民のお粗末な姿が浮かびあがった。 きっかけは昨年十月、安倍晋三首相の指示で検討が始まった「アジア・オープンスカイ構想」だった。中国を中心に急成長するアジアとの関わり方は日本の命運を左右する。この巨大市場の玄関口になれるかどうかで、日本の金融・情報・サービス立国の成否が決まる。それには、外国から人やカネ、情報を呼び寄せるインフラの競争力が不可欠だ。

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執筆者プロフィール
吉野源太郎(よしのげんたろう) ジャーナリスト。1943年生れ。東京大学文学部卒。67年日本経済新聞社入社。日経ビジネス副編集長、日経流通新聞編集長、編集局次長などを経て95年より論説委員。2006年3月から2016年5月まで日本経済研究センター客員研究員。デフレ経済の到来や道路公団改革の不充分さなどを的確に予言・指摘してきた。『西武事件』(日本経済新聞社)など著書多数。
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