ダルフール問題に鈍感で不興を買った首相

2007年7月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: アフリカ 北米 日本

 四月二十七日に米大統領山荘キャンプデービッドで行なわれた日米首脳会談。対外的には一切公表されていないが、安倍晋三首相がスーダンのダルフール紛争への日本の対応について曖昧な発言に終始したため、米側の不興を買っている。会談でダルフール紛争が話題になることを外務省事務方が直前まで想定できなかったことが主因。背景には、外務省内の意思疎通の不十分さもあるようだ。 政府関係者によると、ブッシュ大統領は、大量虐殺や国内外への難民流出など深刻な人道被害が続いているにもかかわらずスーダン政府が人道援助受け入れや民兵組織ジャンジャウィードへの軍事支援停止に応じていないと厳しく非難、より厳しい経済制裁も辞さない構えを示し、同調を求めた。 これに対し、安倍首相は「アフリカの発展・安定化に日本も積極的に貢献する」考えを伝えただけで、大統領の要請には直接応えなかったという。 外務省が米側からダルフール問題が提起されることに気づいたのは「会談の三、四日前」(政府関係者)で、しかも同省北米局から政府内の関係各部署に対応の相談が回ったのはわずか一日前というお粗末さ。結局、制裁に関する日本の立場は鮮明にしないとの結論に落ち着き、安倍首相は官僚が用意した発言要領をほぼそのまま引用した。

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