インフラ不要の「FON」が通信業界を揺さぶる

執筆者:本田真澄 2007年7月号

まさしく発想の転換。電柱に中継機をつけなくても、無線通信網が構築できる。もし、会員がどんどん増えていけば――。「あの会社にはグーグルやスカイプもついている。もしかすると大化けするかもしれない」 いま、インターネットの世界は、ユーザーを主役とする「Web2.0」の時代に移行しつつある。その発想を無線通信ビジネスに大胆に持ち込んだ英国企業が、昨年、日本に上陸した。日本法人のスタッフは四十人程度。しかも、本格的なサービス開始からわずか六カ月しか経っていないというのに、監督官庁である総務省の幹部は関心を隠さない。 英国企業の名はフォン・ワイヤレス。スペインのベンチャー起業家、マーティン・バルサフスキー氏がオーナーで、世界中で無線LANコミュニティー事業「FON(フォン)」を進めている。昨年二月、米グーグルや米イーベイ傘下の無料ネット電話・スカイプなどが計千八百万ユーロ(約二十九億円)を出資した。グーグルは、パソコンのネット検索市場での覇権確立だけでは飽き足りず、広告ビジネスへの本格参入でネットの世界そのものを飲み込もうとさえしているが、欧州企業への出資は初めて。しかも、当初はFONとの独占的な提携を望んでいたという。ネットの巨人はFONのどこに目をつけたのか。

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