饗宴外交の舞台裏 (114)

12年ぶりの主役交代で「エリゼ宮の饗宴」が変わる?

執筆者:西川恵 2007年7月号
エリア: ヨーロッパ

 最後の昼食会は賛辞と祝福の言葉が飛び交った。五月九日、フランス大統領官邸エリゼ宮での、ドビルパン首相と全閣僚を慰労する、シラク大統領主催のさよなら昼食会のことである。 三日前に行なわれた大統領選挙の決選投票ではサルコジ氏が当選し、五月十六日に新旧大統領の引き継ぎがなされることになっていた。昼食会の前に行なわれた最後の閣議では、シラク大統領は「皆さんは自分たちが成し遂げた仕事を国民に誇っていい」と述べ、ドビルパン首相は「われわれだけでなく、国民にとってもシラク大統領を失うのは残念です」と語った。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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