【インタビュー】マリ・スヴァント(トゥルク大学教育学部長) 「世界一」に慢心しないフィンランドの教員養成力

執筆者:草生亜紀子 2007年7月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ

 学力調査(経済協力開発機構〈OECD〉による十五歳児の学習到達度調査=PISA)で読解力が二回連続世界一になったことから、フィンランド教育への注目が高まった。強みのひとつは、修士号取得が義務づけられている教師の質の高さ。 では、フィンランドは教員をどう養成しているのだろうか、同国で二番目に大きいトゥルク大学教育学部長のマリ・スヴァント教授に聞いた。「模擬授業を何度も行なうなど実践的な教授法に重きを置いたカリキュラムや、教師になってからも繰り返し研修の機会を与えるなど、フィンランドの教員養成システムには良いところがたくさんあります。 ただ、世界のどの国も同じですが、情報技術の進歩によって社会は急速に変化しており、子供たちが育つ環境も激変しています。そうした新たな状況に教師たちが十分に適応できているかというと、必ずしもそうではない。私は、未知の現実に対応できる力を持つ教師を育成するプログラムの開発が急務だと思っています」 とはいえ、少子高齢化で福祉予算が増大し、教育予算が削られがちなのが悩みの種だ。「フィンランドでは初中等教育は地方自治体に委ねられていますから、どこに予算を重点配分するかは自治体の判断です。少子高齢化で子供の数が減る一方、高齢者の福祉予算は増えるばかり。そうした中、自治体に初中等教育の重要性を理解してもらわなければなりません」

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