“人間の感覚”を上回る認証技術の大きな未来――小さなセンサーが巨大産業に 5

執筆者:船木春仁 2007年7月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

 今、本格的な市場の立ち上がりを待つ製品群がある。日立製作所、東芝、三菱電機、NEC、富士通、松下電器産業、オムロンなど日本を代表する総合電機メーカーが、個別の開発製品は異なるものの、「次世代の本命」をめざして開発・実用化に取り組んでいる「バイオメトリクス(生体認証技術)」の製品群だ。 バイオメトリクスは、「生物個体が持つ特性」により人物を特定、認識する技術である。対象は指紋、顔、声紋、網膜(虹彩)、静脈、署名など。バイオメトリクスの歴史はまだ四半世紀ほどしかないが、重要な施設の管理や秘密保護の究極の技術として注目されてきた。 そのキーテクノロジーとなっているのがセンサーだ。といっても、前回紹介した東京医科歯科大学の三林浩二教授のバイオセンサーのように人間の体内に挿入して変化を監視したりするものではなく、体の外から本人固有の特性(特徴)をつかまえる。そのために、外から見えている特徴を画像でとらえて分析する画像解析に力点が置かれる。つまりハード機器としてのセンサーよりも、解析・認識のためのソフトウェアがバイオメトリクスとしての品質や精度を左右する。“センサーは千差万別”と冗談で語られてきた。実際、ハード機器としては、多岐にわたってMEMS(微小電気機械システム)の一部として高度化の道を歩んでいるが、それにソフトウェアの技術が加味されることで、言葉を換えればソフトウェアそのものがセンサーの一部となることで、センサーはさらなる進化を遂げようとしている。

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