首相の座を狙う豪労働党ラッド党首の「性向」

執筆者:新居益 2007年7月号
カテゴリ: 国際

オーストラリアでも若き政治家が勢いに乗っている。日本と良好な関係を築いたハワード首相を脅やかすのは、「親中派」と評される男だ。[シドニー発]オーストラリアで年内に行なわれる総選挙に向け、ケビン・ラッド党首(四九)率いる野党・労働党が快進撃を続けている。労働党は昨年十二月、ラッド氏が党首に就任して以来、ジョン・ハワード首相(六七)率いる与党・保守連合を世論調査の支持率で逆転し、リードした。二大政党制の豪州で、十一年ぶりの政権交代が現実味を帯びてきた。 総選挙は、下院の任期満了日やシドニーで今年九月に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の日程から、今秋十月か十一月の実施が確実視されている。与野党は次々と公約を発表して論戦し、既に実質的な選挙戦が始まっている。「ラッド夫人に労使問題」「労働者に厳しい労働党」 五月二十四日、メルボルンのタブロイド紙がスクープを放った。ラッド氏の妻、テリーズ・レインさんが経営する職業紹介会社が、一部従業員との間で、労働組合を通さない個別契約を結んでいたという内容だった。 スクープが提起した問題は二つあった。 第一に、総選挙で最大争点の労使問題をめぐる、ラッド氏の「内」と「外」の矛盾だ。ハワード現政権は労組を排した個別契約を推し進めているのに対し、労働党は労組を主役とする団体交渉を復権させようとしている。レインさんは自分の会社を“ハワード流”で運営していたことになるからだ。

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