将来の中国「連邦制」を見据え政治局員から外される地方トップ

執筆者: 2007年8月号
タグ: 毛沢東 中国
エリア: アジア

 今秋に開催される第十七回中国共産党大会を機に、北京・天津・上海の三直轄市のトップ(党委員会書記)らが政治局入りする慣行に「メスが入る可能性が出てきた」と中国筋が明かす。昨秋に失脚した元政治局員の陳良宇・上海市党委前書記に限らず、地方トップは地元利益を最優先する独立諸侯と化しつつある。強大な権力をもつ政治局員が暴走すれば止めるのは難しいことを「胡錦濤総書記が思い知ったからだ」という。 現在二十三名からなる政治局には、北京の劉淇、天津の張立昌、広東省の張徳江、新疆ウイグル自治区の王楽泉、湖北省の兪正声と五人の地方トップが名を連ねる。うち張立昌はすでに一線を退き、後任には他省の書記(格下の中央委員)が回った。一方、王楽泉は「ウイグル族の独立運動」、劉淇は「来夏の北京五輪」と、それぞれ「特殊任務を抱えているため、特別に配慮する」が、早晩身を引かせる考えだという。たとえば劉は、五輪後、遅くとも一年以内に引退する方向だ。

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