警官も晒し首にするケニアの恐怖「ムンギキ」

執筆者: 2007年8月号
エリア: アフリカ

 サファリを楽しむため世界中から年間百万人近い観光客が訪れる東アフリカのケニア。日本人も年に約二万人が観光に訪れるこの国で、「アフリカのマフィア」と恐れられる地元武装犯罪組織と警察が熾烈な戦いを繰り広げている。首都ナイロビでも五月以降、銃撃戦が相次いでおり、日本外務省は注意を呼びかけている。 問題の組織は「ムンギキ」と呼ばれ、ケニア最大の民族キクユ人の若者を中心に構成される。一九九〇年代から活動を本格化し、二〇〇二年の非合法化後も勢力を拡大。構成員数万人とも言われる。「キクユ至上主義・反西洋文化」を唱える民族主義的な一面があり、スラムの住民やタクシー会社などに「みかじめ料」を要求。多数の武装強盗や身代金目的の誘拐に関わっているとされ、対立組織の構成員や言うことを聞かない者は、頭部を切断して「晒し首」にする。

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