“死に体”の新銀行東京をそろばんずくで支えるオリックス

2007年8月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

「新銀行東京は、近い将来、オリックス信託銀行と合併するだろう」――石原慎太郎都知事の肝煎りで税金一千億円を投じて設立したものの、経営難に直面している新銀行東京の行く末について、今、金融界ではこんな見方が広がっている。 その背景には、同行の新経営陣の布陣がある。りそな銀行出身で、大手計測機器メーカーの取締役だった森田徹氏を同行の新代表執行役に据えたのは、りそなホールディングス出身の梁瀬行雄・オリックス副社長だった。梁瀬氏は、石原知事の盟友であるオリックスの宮内義彦会長から命を受けていた。梁瀬氏と森田氏は、りそな時代の上司と部下の関係。石原知事は、新銀行東京の旧経営陣に経営不振の責任を取らせて退任に追い込んだものの、新代表執行役の引き受け手が見つからなかった。そこで頼ったのが、オリックスの宮内会長だった。 さらに、新銀行東京にはオリックス東京営業本部副本部長だった上村憲生氏が取締役として入行。上村氏は旧住友銀行からオリックスの前身であるオリエント・リースに転じた人物。こうした状況を見れば、経営危機に陥っている同行をオリックスが支えている構図が浮き彫りになる。 今春、石原知事の長男で衆議院議員の石原伸晃氏(自民党東京都連会長)が同行の株主を訪問し、「(新銀行東京は)みなさんにご迷惑の掛からないように処理します」と語っている。引き受け手のない新銀行東京がオリックス信託と合併すれば、オリックスにとって業容拡大に結びつくばかりか、石原知事=東京都との繋がりを強固にすることもでき、メリットは大きいとみられている。

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