フランスのベビーブームから学べることは何か

執筆者:渥美由喜 2007年8月号
カテゴリ: 経済政策・社会保障
エリア: 日本

 前回、わが国が直面している諸問題に対する唯一の解は、「出生数の大幅な回復」だと述べた。この点で政府では最近、数年来のベビーブームに沸いているフランスの少子化対策への関心が高まっている。 筆者も委員として参加している内閣府の「『子どもと家族を応援する日本』重点戦略検討会議」でも、今年四月、尾身幸次財務大臣の要請に応じて、厚生労働省が、「フランス並みの施策を講じた場合の必要金額は十兆六千億円」という推計値を出した。 尾身財務大臣の要請はおそらく、秋以降、消費税率の引き上げをめぐる論議が本格化する前の布石であろう。すなわち、「これだけ巨額の費用がかかるのだから、消費税引き上げは不可欠」という展開が予想される。 しかし、これまで一貫して、少子化対策の拡充に慎重だった財務省のトップが、「フランス並みにやると、十兆円強が必要になる。少子化対策は待ったなしであることを考えると、今、直ちに着手しなければならない」と言及したのは画期的なことだ。 一方で、わが国とフランスの社会経済システムは大きく異なる。したがって、単純にフランスの施策をそのまま導入すればいいという問題ではない。では、わが国はフランスから何を学ぶことができるだろうか。

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