“介護の盟主”を狙う「渡邉ワタミ」の焦燥

執筆者:杜耕次 2007年8月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

コムスンへの退場勧告は渡りに船。ワタミには、どうしても介護拠点を買収したい事情がある。だが、相手は宿敵――。 グッドウィル・グループの子会社コムスンが不正な介護報酬請求を繰り返していた問題で、厚生労働省が来年四月以降同社事業所の指定更新をしないよう都道府県に通知したのが六月六日。一週間後の十三日にグッドウィルは介護事業からの撤退を決定。全国二千八十一カ所(五月末)のコムスンの介護事業拠点が売却されることになり、買収に名乗りを上げる企業が続出して激しい争奪戦の様相を帯びてきている。 一連の攻防で最も活発に動き、注目を集めているのは居酒屋チェーン大手ワタミの社長、渡邉美樹(四七)。「著名な起業家」「派手なパフォーマンス」「家業が破綻した幼少時の体験」など、年齢の近さも含め何かと共通点の多いグッドウィル会長兼CEO(最高経営責任者)の折口雅博(四六)と渡邉は、かねて互いに意識し、張り合ってきた。 コムスン拠点の売却先決定は七月末以降にずれ込む公算が大きいが、仮に渡邉が新たな「介護事業の盟主」の座を得たとして、折口と同じコンプライアンス(法令遵守)精神の欠乏といった陥穽に陥る可能性はないのだろうか。両者を比較する際に格好の参考材料になりそうなやり取りが三年前にあった。

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