宗教が二分するアメリカの「民主政治」

執筆者:リンダ・フェルドマン 2007年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

右派が強かったかと思えば、今度は左派の巻き返し。民主党が宗教を前面に出し始めた。大統領選を控え、政教分離など消え去る勢い――。[ワシントン発]「あなたがこれまでに犯した最大の罪は何ですか」――米民主党大統領候補の一人、ジョン・エドワーズ元上院議員に投げられた質問の大胆さに、会場は、一瞬水を打ったように静まり返った。「私は日々、罪を犯している。書き出したら恐ろしく長いリストになるだろう」とエドワーズは答えた。 六月四日、リベラルなキリスト教左派が主催した政治集会での一コマだ。この会にはヒラリー・クリントンとバラク・オバマの両上院議員も出席し、千人の観衆を前に民主党最有力大統領候補三人が信仰心を競い合った。エドワーズが息子の死と妻の癌再発という二つの危機を祈りのおかげで乗り越えたと語れば、クリントンが珍しく、夫の不貞騒ぎの際には信仰が心の支えになったと認め、三人の中では最も信仰をオープンに語るオバマは、キリスト教徒として「面倒を見る人」になりたいと熱弁をふるう、という塩梅だ。 前回二〇〇四年の大統領選では、キリスト教左派の集会に有力な大統領候補が三人も顔を揃えることなど、想像すらできなかった。しかし〇八年に向けた戦いが熱を帯びるなか、これまで米国政治に圧倒的な影響力を及ぼしてきたキリスト教右派(保守派)のライバルとして、リベラルな左派が躍進している。

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