香港トップ「五年後の非民主的選挙」の行方

執筆者:倉田徹 2007年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

[香港発]七月一日、香港は中国への返還十周年を迎えると同時に、曾蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官の二期目の任期がスタートした。曾蔭権は今年三月の行政長官選挙に圧勝し、二期目に入るにあたり、高官の異動を行なった。行政長官に三選は認められないため、曾蔭権の任期が切れる二〇一二年をにらみ、次の長官ポストをめぐる競争が、早くも展開されようとしている。 中国政府は「香港基本法」で、行政長官選挙の最終的な普通選挙化を目指す漸進的な民主化を約束してはいるものの、その実現を急ぐつもりはない。次回の選挙も現行の制度同様に、親中派を中心とする選挙委員会による選出という形式になる可能性が高い。このため、当選には、北京の支持は絶対不可欠である。 他方、北京の強い支持を受けていた董建華初代行政長官が、香港市民の間では不人気で、反政府デモの多発を招き、任期半ばで辞職に追い込まれた教訓から、北京は、単に親中派であるだけでなく、香港市民の評価も次期長官の条件とすると考えられる。すなわち、北京と香港の双方で支持を得られる人物が、「ナンバー1」の座を射止めることになる。 曾蔭権は六月二十三日、二期目の高官名簿を発表した。それぞれ政府のナンバー2、3、4にあたる、唐英年(ヘンリー・タン)政務長官、曾俊華(ジョン・ツァン)財政長官、黄仁龍(ウォン・ヤンロン)法務長官の三人は、次期行政長官の最有力候補と目されている。

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