ブックハンティング・クラシックス
ブックハンティング・クラシックス(30)

スクープ記者の「悲劇」が示した検察と報道機関の危険な関係

執筆者:中川一徳 2007年8月号
カテゴリ: 書評 社会
エリア: 日本

『不当逮捕』本田靖春著講談社 1983年刊(現在は講談社文庫所収) 半世紀前の昭和三十二年十月、読売新聞のスター記者が逮捕された。その一週間前に掲載した売春汚職の記事が原因だった。当時、売春防止法が成立する過程で、延命を図る売春業者の団体が政界にカネをばらまいていた。記事には二人の自民党代議士が名指しされ、「収賄容疑で召喚必至」と書かれていた。 代議士は直ちに読売新聞を東京地検に刑事告訴、取材した記者には名誉毀損の容疑がかかった。とともに、ニュースソースと思われる氏名不詳の検事や監督者である検事正、検事総長までが告訴の対象となった。直後から、なぜか告訴対象から外れていた東京高検検事長が直々に捜査に乗り出す。その異例の展開には、検察内の激烈な権力闘争と謀略じみた事件の奥深い闇が隠されていた――。

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