第17回党大会を迎える中国の「近代国家」への遅々たる歩み

執筆者:藤田洋毅 2007年9月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

五年に一度の中国共産党大会は、文字通りこれから五年の中国の行方と、誰が政治の主導権を握るかを決める。だからこそ、必死の権力闘争が……。「バランス調整に腐心する時期は終わりました。新たな勢力配置にメドをつけ、誰に気兼ねすることもなく自前の政策を打ち出せるのです」 中国共産党中央の中堅幹部は言い切った。十月に開催を予定する第十七回党大会に向け、中南海では激烈な権力闘争が繰り広げられてきたが、胡錦濤総書記(国家主席、党中央軍事委員会主席)が圧倒的な優位を確保する「流れは揺るぎない」という。公式序列は五位ながら実質ナンバー2で最大のライバル、曾慶紅国家副主席(中央党校校長)の引退が“内々定”したのである。 最大の焦点となっている最高指導部すなわち政治局常務委員会の新たな顔ぶれをめぐっては、すでに「五退・三進」つまり「五人引退・三人昇格」によって、現在の九人から七人へ減らす基本的な方向が固まっていた。 退場する五人のうち四人は、六月に死去した黄菊筆頭副首相、引退年齢を越えた呉官正党中央規律検査委員会書記、羅幹党中央政法委員会書記に加え、福建省厦門を舞台とする「遠華公司」密輸事件に夫人が密接にかかわった賈慶林全国政治協商会議(政協)主席で、「もはや内定段階と表現してよい」。賈はまだ引退年齢に達していないが、建国以来最大の密輸事件に連なったうえ、前任地の北京市でも元秘書らによる腐敗が暴かれ、「自分と家族を守るぎりぎりの窮地に追い詰められ、退くほかに選択がなくなった」。

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