スタート前に頓挫「郵便民営化」のていたらく

執筆者:本田真澄 2007年9月号
エリア: 日本

既得権益を破壊してまともな組織にするはずが、まるで元の木阿弥に。ここまで改革を骨抜きにされて、小泉さん黙っていていいの?「郵便局改革は頓挫した。早晩、全国の郵便局ネットワークは維持できなくなり、国民に負担を押しつけることになるのではないか」 郵政民営化まであと一カ月というこの時期に、郵政公社内部では耳を疑うような郵便局の経営破綻シナリオが飛び交っている。 十月の民営化に伴い、持ち株会社「日本郵政」の傘下には「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」「郵便事業会社」「郵便局会社」の四つの事業子会社が誕生する。この七月から全国五千五百の郵便局で民営化のリハーサルが始まった。東京・大田区の郵便局を視察した西川善文・日本郵政公社総裁は「リハーサルの作業が大変整々と進む状況に、安心して十月一日が迎えられると感じました」と大見得を切ってみせたが、それが本音だとしたらあまりに呑気すぎる。 メガバンクや大手生命保険会社を凌駕する総資産を持ち、巨額の資金運用で経営を成り立たせることが可能な金融二社とは異なり、郵便事業会社と郵便局会社は未だに民営化後の将来像を描けないまま、時間切れで民営化に突入しようとしている。とりわけ先行きが不安視されるのは、他の三事業会社の代理店として生きるしかない郵便局会社だ。

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