「三越と伊勢丹が経営統合を交渉」 メディアが一斉にそう報じたのは七月下旬のことだった。八月中の合意を目指して交渉に着手、との報道もあったが、原稿執筆時点では統合比率やトップ人事は白紙のまま。三越は自力再建や伊勢丹以外との連携も模索しているとみられ、今後の見通しは流動的だ。 百貨店業界全体の売上高(二〇〇六年)は七兆七千七百億円。市場規模は十年間で一兆円以上縮小した。少子高齢化時代に生き残るには(納品業者との値引き交渉などを有利にする)規模の追求が必要との解説がなされるが、店舗ごとの品揃えが違う百貨店で統合によるコスト削減効果は限定的ともいえる。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン