企業が顔色をうかが窺う議決権「助言会社」の威光

執筆者:清水常貴 2007年9月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

敵対的買収がひんぱんに企てられるご時世ゆえ、注目される二つの業種。それが議決権行使助言会社とプロクシー・アドバイザーだ。 今年ほど「四谷詣で」が殺到した年はない。四谷とは、議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)の日本法人が入居している千代田区五番町のビルのことである。「なにしろ、堀江貴文のニッポン放送株買い占めに始まり、楽天のTBS株買い集め、王子製紙による北越製紙への敵対的TOB(株式公開買い付け)、さらにスティール・パートナーズのTOB乱発と続き、どこの企業も敵対的TOBに戦々恐々としています。このTOBから身を守るため、今年、買収防衛策を導入した上場企業は二百社を超えますが、導入には株主総会の承認が必要。ところが、いまや外国人の株主比率は二八%に上る。万一、外国機関投資家やヘッジファンドが揃って反対に回ったら、買収防衛策は株主総会で否決されかねない。そのため機関投資家やファンドに議決権行使を助言するISSに出向き、企業側提案の買収防衛策に賛成するよう助言してもらえるように説明に努めなくてはならない」(大手企業役員) アメリカでは年金を守るためのエリサ法で、年金資金を扱う機関投資家は株主総会での議決権行使を求められている。日本の個人株主のように、面倒がって株主総会に出席しないばかりか書面による議決権も行使しないのとは大違い。それだけに機関投資家やファンドに対し、会社側提案の議案に賛成すべきか反対すべきかを助言する議決権行使助言会社の意向がモノをいうのである。

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