マレーシアで頻発 ヒンズー教寺院破壊の背景

執筆者: 2007年10月号
タグ: 中国 インド
エリア: アジア

 マレーシアでこの一年半弱の間に、七十九ものヒンズー教寺院が破壊されたことが、ヒンズー教系NGO(非政府組織)の調べでわかった。一週間に一つのペースで寺院が破壊されているわけだ。 五十のヒンズー教系NGOの連合体であるHINDRAF(ヒンズー権利行動軍)によると、マレーシア全土で昨年二月から今年六月までの十六カ月間に、七十九のヒンズー教寺院が、政府からの一方的な通告の後、焼き討ちにあったり、神体が持ち出されて捨てられるなどの破壊行為にあったという。 HINDRAFは、こうした行為は「抑圧され、マレーシアでも最も恵まれない階層であるヒンズー教徒に対する蛮行」であるとして、アブドゥラ首相に宛てて、政府と地方政府がこうした不法行為を行なわないよう申し入れた。アジア人権委員会(AHRC)もこれを問題視し、マレーシア独立前からの歴史遺産でもあるヒンズー教寺院の破壊を非難している。

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