【ブックハンティング】筆力豊かな科学者が語る「生命とは何か」の説得力

執筆者:向井万起男 2007年10月号
カテゴリ: 書評

『生物と無生物のあいだ』とは随分と堅いタイトルだ。堅いどころか、これ以上はないというくらい無味乾燥なタイトルとさえ言えるかもしれない。頁を開き、プロローグを読み始めても印象はさして変わらない。タイトルが語っているように、生物と無生物を区別するのは何か、つまり“生命とは何か”という堅い問題を扱っていることが改めてわかるだけだ。 そして型のごとく、ワトソンとクリックによって解明されたDNAの二重ラセン構造と、その構造が端的に示している細胞の自己複製システムについて簡単に触れている。ホントに型のごとくだ。続いて、生命体とはミクロなパーツからなる精巧な分子機械に過ぎないという分子生物学的な考え方の紹介。これも型のごとくだ。

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