防衛省がひそかに練り始めた「テロ新法」とは別の「新法」

2007年11月号
カテゴリ: 外交・安全保障
エリア: 日本

 臨時国会で最大の焦点となっているテロ特措法の延長問題。政府は新法を提出し、インド洋での補給活動を継続したいとしているが、形勢不利とみた防衛省は、来年の通常国会へ向けて、ひそかに別のテロ新法づくりの検討を始めた。 自衛隊の派遣先をインド洋に絞り、再び海上阻止活動(MIO)に参加するため、P3C哨戒機か護衛艦を派遣する二案が浮上している。 P3C哨戒機の活用は補給艦派遣の際にも詳細に検討した。アラビア半島の先端にあるオマーンの軍事基地を拠点に不審船を上空から監視する。海上自衛隊は米海軍に次ぐ約百機のP3C哨戒機を保有し、世界一の技量を誇るが、海外活動の実績はない。「海自の半数を占める航空部隊の士気向上にもつながる」(海自幹部)という。 もう一案の護衛艦派遣は、仮に不審船を発見しても、憲法で武力行使と解釈される強制的な立ち入り検査である臨検ができないため、他国の駆逐艦に情報提供するにとどまることになる。現在、洋上補給を任務として派遣されている補給艦部隊も、不審船舶を発見して他国の駆逐艦に連絡した実績があり、「洋上監視に特化するのはたやすいこと」(同幹部)のようだ。 防衛省幹部は「洋上補給を続けるのがベストだが、今の国内政治情勢からは極めて難しい。とはいえ、民主党の小沢一郎代表が主張する陸上自衛隊のアフガニスタン派遣は武力行使につながりかねない。海上自衛隊による活動を模索するしかない」と主張している。

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