「敗訴」のダメージ大 再建途上の西武グループ

2007年11月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 有利子負債削減の一年前倒しなど、総帥・堤義明氏去りしあと順調に再建を果たしているかに見える西武グループ。だが、堤氏追放のきっかけとなった西武鉄道の有価証券報告書の虚偽記載をめぐり、発覚後の株価下落で損失を受けたとして全日本空輸(ANA)が西武グループのプリンスホテル(コクドを吸収合併)に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は請求通り六億七千八百万円の支払いを命じた。これと同様の訴訟は十五件あり、請求額の合計は四百二十四億円に上る。この判決で、西武グループ再建が大きなダメージを受けるのは必至だ。 持ち株会社の西武ホールディングスは二〇〇八年度の再上場を目指すが「有力外資系ホテルの都心部への相次ぐ進出でプリンスホテルの収益力が思ったより伸びていない」(大手証券アナリスト)上に、赤坂や品川などのプリンスホテルに老朽化が目立ち改修資金が必要。「それ以外に損害賠償に備えた資金も必要となりそうで、再建計画修正は不可避」(大手投資銀行幹部)との声も出始めた。 プリンスホテルは控訴を検討中だが、義明氏の異母兄弟である堤清二氏、猶二氏による訴訟も継続中で「これら訴訟が終結しない限り東証が上場申請を受け付けない」(大手証券幹部)との指摘も。再建は茨の道だ。

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