インテリジェンス・ナウ

情報機関がアウトソーシング!? CIAに跋扈する「緑のタヌキ」

執筆者:春名幹男 2007年11月号
タグ: CIA
エリア: 北米

 久しぶりに米首都ワシントンで取材した。旧知の元政府高官に会い、国立公文書館で古文書を繙くうち、あっという間に予定の十日間が過ぎた。帰国が翌朝に迫った夜、元米中央情報局(CIA)工作員の友人のことを思い出し、自宅に電話した。「空港までマイカーで送るよ」と、土曜の朝のことなのに親切に言ってくれた。 いま何をしているのか具体的なことは一切話してくれなかったが、口ぶりから、また秘密の仕事に戻ったな、と直感した。CIAを辞めて約二十年、今度はCIAとは違う機関で外部コンサルタントをしているようだ。 ダレス国際空港でお茶を飲み、約一時間話ができた。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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