ユーロ導入には慎重な「双子の指導者」に下るポーランドの審判

2007年11月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: ヨーロッパ

 ポーランドで十月二十一日に繰上げ総選挙が実施され、大統領、首相に双子のカチンスキ兄弟が就く異例の統治体制に審判が下る。双子が保守与党の党名「法と正義」そのままに汚職追放などを進めた保守改革には、社会の中流以下の層を中心に根強い支持がある。だが、「強いポーランドの復活」を目指す愛国主義的な改革は、欧州での孤立を招いており、野党はこぞって外交失政と批判している。 欧州連合(EU)に加盟した中・東欧諸国の義務である欧州単一通貨ユーロの導入も停滞している。「国家主権である自国通貨を手放すには慎重な判断が必要」とし、大統領は任期終盤の二〇一〇年にかけ、ユーロ導入の是非を問う国民投票を実施する意向を表明している。製造業を中心とした外国からの旺盛な直接投資を背景に経済は好調だが、市場ではユーロ導入は早くても二〇一二年とみられており、進出企業はそれまで為替変動リスクを負う。それでも政府は導入時期を未定とし、中央銀行が来年中に報告書をまとめてから検討を始めるとしている。 だが、総選挙の結果次第では状況が一変する可能性がある。最大野党「市民プラットフォーム」がユーロ導入に前向きなためだ。もともと政府が本気で取り組めば、財政赤字の抑制などのユーロ導入基準は達成可能なだけに、政権が交代すれば導入が早まるかもしれない。

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