もはや中国にすがりつくしかない世界経済の危うさ

執筆者:小田博利 2007年11月号
エリア: 中国・台湾

『エコノミスト』よ、お前もか! あの英高級誌までパンダ頼みの姿勢とは、卵を重ねたような危うさではないか。なかでも日本は――。 政権が変わると、ここまで態度が豹変するのだろうか。中国が福田康夫政権の登場にご満悦である。小泉純一郎政権の時代に冷え切った日中関係を、タカ派・安倍晋三政権が修復し、さらにハト派・福田政権で関係を深めるという図だ。日本に送る秋波はいくつもある。 ひとつは新幹線網。北京―上海新幹線プロジェクトについて、JRやゼネコン(総合建設会社)への打診が行なわれることになるもようだ。新幹線の国外調達については、三分の一が上限。そのなかで、敢えて日本に色を付けようとしているのだ。底意が透けてみえる。 福田首相の父である赳夫氏が首相当時の一九七八年に日中の平和条約を締結した経緯もあろうが、四千年の歴史を持つ中華外交は別の狙いも秘めている。端的にいえば、日本を取り込むことによる米中の摩擦緩和である。米中が軍事的にみれば事実上の冷戦状態にあることは、以前に本連載でも触れた。そんななかで、米国の友人である日本との友好関係を示すことは、米国に対する友好のシグナルになる。中国版の全方位外交ともいえる。

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