ロシア映画の“元”巨匠が作るプーチン礼賛映画

2007年12月号
カテゴリ: 国際
エリア: ロシア

 名作「太陽に灼かれて」などで世界的に知られるロシア映画の巨匠ニキータ・ミハルコフ監督はプーチン大統領の熱烈な支持者。十二月二日の下院選挙や来春の大統領選挙を控え、本業の映画でクレムリンに迎合するような動きが目立ち、心あるファンの顰蹙を買っている。 ソ連国歌の作詞者を父にもち、大統領の「大国路線」を信奉する監督は、十月、憲法違反の三選をプーチンに求める数万人の署名を集めて提出した。さらに、十七世紀の動乱時代にモスクワ解放のためポーランド軍と戦った騎士と農民を描いた映画「一六一二年」を制作、公開した。ミハルコフに起用されたホチネンコ監督は、この騎士に、ソ連崩壊後の混乱を克服したプーチンを二重写しにしたことを隠さない。 プーチン大統領は二〇〇四年、革命記念日だった十一月七日の休日を廃止、代わりに一六一二年のモスクワ解放を記念する十一月四日を「国民統一の日」として新たな休日とした。映画「一六一二年」は、“現代の救世主”となって権力保持を狙うプーチン周辺の思惑を反映している。制作費は、プーチン翼賛体制を資金面で担う石油財閥が四百万ドルを出したという。

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