ロシア映画の“元”巨匠が作るプーチン礼賛映画

執筆者: 2007年12月号
エリア: ヨーロッパ

 名作「太陽に灼かれて」などで世界的に知られるロシア映画の巨匠ニキータ・ミハルコフ監督はプーチン大統領の熱烈な支持者。十二月二日の下院選挙や来春の大統領選挙を控え、本業の映画でクレムリンに迎合するような動きが目立ち、心あるファンの顰蹙を買っている。 ソ連国歌の作詞者を父にもち、大統領の「大国路線」を信奉する監督は、十月、憲法違反の三選をプーチンに求める数万人の署名を集めて提出した。さらに、十七世紀の動乱時代にモスクワ解放のためポーランド軍と戦った騎士と農民を描いた映画「一六一二年」を制作、公開した。ミハルコフに起用されたホチネンコ監督は、この騎士に、ソ連崩壊後の混乱を克服したプーチンを二重写しにしたことを隠さない。

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