インテリジェンス・ナウ
インテリジェンス・ナウ

通信情報から金融情報までスパイはなんでも盗っている

春名幹男
執筆者:春名幹男 2007年12月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 北米

 米西海岸サンフランシスコのダウンタウンにある米通信大手AT&Tビル六階。縦七メートル、横十四メートルの秘密の部屋に、米国家安全保障局(NSA)の「データ・マイニング(発掘)」機器が設置されている。 そんな事実がサンフランシスコ連邦高裁の裁判で暴露された、と米ワシントン・ポスト紙が伝えている。 AT&TからNSAにeメールの電文などが大量に提供されている証拠として、AT&Tの元職員が爆弾証言したという。 原告は、「エレクトロニック・フロンティア財団」という民間団体と、「アルハラマイン」というイスラム教系の慈善団体。 前者は、NSAが「テロリスト監視計画」のために必要な情報収集を逸脱し、違法なプライバシー侵害をしていると訴えた。後者は、NSAの監視を受けたのは不当と提訴した。 AT&Tも米政府側も、「秘密の部屋」の存在さえ認めていない。米政府は「国家機密」にかかわる裁判として公訴棄却を主張している。 世界最大の盗聴機関NSAが、AT&Tなどの協力を得て一般の通話などを傍受していたのはやはり事実だったのだ。 二十年前、「東芝機械事件」で東芝アメリカは情報漏れの異変に気付き、社内を調べたが盗聴器は見つからなかった。専門家に調査してもらったところ、「交換機などの領域で盗聴されている」と指摘された。米情報機関に盗聴されていたのは確実だ。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
価値あるバックナンバー
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順