西友TOBのウォルマートになおもくすぶる「撤退説」

執筆者:清水常貴 2007年12月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

「店名がウォルマートに変わるかもしれない」という声もある。スーパーの西友だ。同社の株式五〇・九%を保有する米ウォルマート・ストアーズはTOB(株式公開買い付け)を実施し、西友を完全子会社化する。 ウォルマートは二〇〇二年に西友に資本参加、〇五年にはさらに第三者割当増資を引き受けて子会社化した。が、〇七年十二月期も百四億円の赤字見通しで、これで六期連続赤字である。今回、一株百四十円で買い取るTOBに要する資金は一千億円で、今までの出資分と合わせると、総投資額は二千四百七十億円に上る。TOBを発表したウォルマートのブレッド・ビッグス上級副社長は「西友の完全子会社化はウォルマートの日本市場へのコミットメントを確認するものだ」と強調した。ウォルマートの日本撤退説がくすぶっていることを意識したものといえる。 だが、それでも日本撤退説は消えそうもない。「〇五年に西友が第三者割当増資を行なったとき、ウォルマートは良品計画を優良会社に育てた手腕を持つ木内政雄社長を退任させ、エドワード・カレジェッスキー氏をCEO(最高経営責任者)に送り込んだ。しかし、二年経つのに赤字。三年前の千六百名のリストラに続き、四百五十名の中堅幹部の希望退職を募集し、社内は動揺している。ウォルマートの意向によるものかどうかは不明だが、投資銀行が買収を打診しているという話も伝わっている。撤退を否定しても素直に信じる人は少ない」(アナリスト)。むしろ、TOBで全株を手にすることで売却し易くなるという声さえある。

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