フェースブック巨額評価 その裏にあった駆引き

執筆者:梅田望夫 2007年12月号
カテゴリ: IT・メディア

 前々号の本欄でご紹介したフェースブックに、十月二十四日マイクロソフトが二億四千万ドルを出資した。フェースブックは、米国中心に英語圏で急成長中の実名でのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)である。 未公開企業に出資する場合、出資の見返りに株式の何パーセントを取得するかを決めるため、出資先の企業価値を評価しなければならない。フェースブックの評価額はなんと百五十億ドル。マイクロソフトはこれほど巨額の出資をしたにもかかわらず、わずか一・六%の株式しか得られなかったのだ。 シリコンバレーのベンチャーにとっての目標は株式公開である。しかし公開時の資金調達額だって一億ドル以下が当たり前、企業価値だって十億ドルまでいくケースは少ない。昨年の秋は「グーグルによるユーチューブ買収」で大騒ぎだったが、それでもその買収額は十六億五千万ドルだった。このたびのマイクロソフトの出資条件が、いかに常識からかけ離れているかがおわかりいただけるのではないかと思う。 本欄第八十八回(〇四年一月号)で私は、マイクロソフトが未公開段階のグーグルを百億ドルで買収しようとしたが言下に断られたという話をした。グーグルの時価総額はそれから約四年で、当時のマイクロソフトの評価から二十倍以上の約二千二百二十億ドル(約二十五兆五千億円、十一月二日現在)に達し、時価総額日本一企業・トヨタ自動車(約二十三兆四千億円、同日現在)をも抜き去ってしまった。

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執筆者プロフィール
梅田望夫 1960年東京都生れ。94年渡米、97年コンサルティング会社ミューズ・アソシエイツを起業。著書に『ウェブ進化論』(ちくま新書)、『ウェブ時代をゆく』(同)、『ウェブ時代 5つの定理』(文藝春秋)、『ウェブ人間論』(共著、新潮新書)など。メジャーリーグの野球、そして将棋の熱烈なファン。
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