ポーランド新政権の悩み深き前途

2007年12月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ

双子による“保守暴政”は終わったが、片割れの大統領は残り、新首相と対立も。外交立て直しはできるのか。[ワルシャワ発]ポーランドの首都ワルシャワの中心部では高層ビルの建設が相次ぎ、街並みが大きく変わった。かつての共産主義を象徴する「スターリン建築」の代表的建造物である文化科学宮殿が与えていた異様な威圧感も和らぎ、時代が変わったことを実感できる。総選挙前、ワルシャワを中心に各党の選挙活動が白熱する中で、街行く市民をうんざりさせたものがあった。それは、ビル一面を覆ったヤロスワフ・カチンスキ首相(当時)のポスターだった。「不正に蓄財した共産主義時代の権力者たちを追い払うと言いながらも、カチンスキ兄弟の政策は強権的で、時計の針が逆戻りしたようだった。もう今のポーランドには合わない」。市民の多くに、時代錯誤のポスターは不評だった。     * 連立与党崩壊に伴って、十月二十一日に実施された総選挙では、双子のカチンスキ兄弟の兄ヤロスワフ・カチンスキ氏(五八)が率いる保守系与党「法と正義」(PiS)が敗北し、ドナルド・トゥスク氏(五〇)が率いる中道右派の最大野党「市民プラットフォーム」(PO)が第一党に躍進した。十一月九日、ヤロスワフ前首相の弟レフ・カチンスキ大統領(五八)は、トゥスク党首を首相に指名し、組閣を要請した。トゥスク新首相は、第四党のポーランド農民党との連立交渉を進めており、両党による新政権が近く発足する見通しだ。

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