ドル安で駆け巡った「ペッグ制」廃止説

2007年12月号
エリア: 中国・台湾

 香港ドルが米ドルと連動する「ペッグ制」の開始は一九八三年十月。英中による香港の返還交渉が暗礁に乗り上げ、香港経済の将来性に大きな疑問が生じていた時期だ。変動制だった香港ドル(HKD)は、前年(八二年)の一ドル=六・五五HKD水準から、九HKD台にまで暴落していた。 中央銀行にあたる香港金融管理局(HKMA)は一ドル=七・八〇HKDに固定。香港ドルが同水準を下回る際には、外貨準備を用いて香港ドルを買い支えることになった。さらに二〇〇五年五月には目標相場圏を導入。上限を一ドル=七・七五HKD、下限を七・八五HKDと、限定的な変動帯を設定した。 ここ二十余年香港には好都合に働いてきたペッグ制だが、十月末、「まもなく廃止される」との噂が市場を駆け巡った。特に、HKMAと香港政庁が北京政府と接触し、急速に下落している米ドルとのペッグ制の廃止案を協議した――との複数の報道が、「廃止説」に拍車をかけた。 HKMAの任志剛総裁は「廃止説」を強く否定。十月三十一日、「上限」に迫った香港ドル高を抑制するため、七十八億HKD(約千百億円)相当の香港ドル売り介入を実施した。 近い将来、本当にペッグ制が廃止される可能性はあるのか。

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