頼みは外国資金のインド経済にルピー高という“成長痛”

2007年12月号

 為替市場でインド・ルピーが高騰している。“インド・ブーム”前の二〇〇二年に一ドル=四十九ルピー台をつけた後、昨年夏までに四十五ルピー前後まで上昇。それが、現在は三十九ルピー台だ。 インドの経済成長は輸出依存度が高く、今後は製造業や農業でも輸出を伸ばすことが国策であるため、ルピー高は痛手だ。が、高騰の主な要因は順調な経済成長、そして米サブプライムローン問題に起因する世界的なドル安傾向と急激な資金流入。いずれも“根本治療”は難しい。 そのため、さまざまな“対症療法”が打ち出され、混乱も生じている。政権内でもナート商工相が輸出産業の支援策を唱える一方、チダムバラム財務相は企業の自助努力を促すなど“閣内不一致”が見られる。 ただ、お家芸のITサービス輸出や、インドを「世界の工場」と見込む外国企業の投資意欲には深刻な陰りは出ていない。不自然な為替管理を続ける中国より健全との評価があるほか、海外勢にインド頼みの姿勢が強まっているからだ。 インドの株価は八月の世界同時株安には連れ安したが、その後は復調。ムンバイ証券取引所のSENSEX指数は十月に史上最高の二万ポイント台に乗せた。未公開株や不動産への投資も引き続き活発で、サブプライム問題で巨額の損失を出した欧米の大手金融企業さえ、対印投融資をより積極化させている。

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