一九九八年の大統領当選以来十一回に及ぶ選挙と国民投票を勝ち抜いてきたチャベスの不敗神話は崩れた。議会、司法、選挙管理委員会、州政府を掌中に収める権力の絶頂期に国民投票にかけた改憲案は、皮肉にも僅差ながらの敗北となった。苦戦の理由は自ら制定した九九年憲法の大幅改正をこの時期に強行しようとした点に集約されるのではないか。それはかつてペルーのフジモリが九五年大統領選挙で圧勝し再選された直後に憲法解釈法で三選への整備を強行して転落への道を拓いたように、絶大な権力を握る者の不安を物語るものと言えるかもしれない。
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