もはや「ドル崩落」は止まらないのか

2008年1月号
エリア: 北米

基軸通貨のこれほどの失墜を、誰が予測できただろうか。気がつけばユーロ圏が急拡大。だが米国もこのままでは終わらない。 世界で最もリッチなモデルと言われるジゼル・ブンチェン。彼女が八月に米プロクター・アンド・ギャンブルと広告出演契約を結んだ際、「ドルではなくユーロ建てにしてほしい」と要求したという話を十一月になって米欧のメディアが伝えた。 ドル安が急ピッチで進む中で、ついに世界を舞台に活躍するスーパーモデルまでがドルを見捨てるのか――。ブンチェンの代理人は否定に躍起になったが、「世界のドル離れ」「ドル崩落」を象徴する話として瞬く間に広がった。年間で三千三百万ドル(三十八億円)も稼ぐという彼女にとって、確かに、このところのドル安による収入の目減りは半端な金額ではない。 外国為替といえばドルのことだった日本人にとって、大幅なドル安が進んでいるという実感は乏しい。「ドル崩落」などと言われても、「まさか」と思うに違いない。だが、ひとたび視点を欧州のユーロ通貨圏に移せば、そのすさまじさは明らかだ。 十一月二十三日、ユーロは一時、一ユーロ=一・四九六八ドルの史上最高値を付けた。逆算すれば一ドル=〇・六六八〇ユーロとドルは最安値を付けたことになる。銀行間取引などでユーロが誕生したのが一九九九年。ユーロ通貨が流通しはじめたのが二〇〇二年一月だが、それ以降で、最もドルが強かったのは〇二年二月。一ドル=一・二ユーロ前後だった。わずか五年でドルは四四%も下落したことになる。ブンチェンの「ドル離れ」は誰しも当然と思ったに違いない。

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