土地を奪われる農民がたどり着いた製品知識

執筆者:山田明彦 2008年1月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾

「GIS」という変電機器をご存知だろうか。「ガス絶縁開閉装置」の略称だ。変電所の主要機器で、落雷などにより異常電圧が発生した際、故障を防ぐために変電所と送電線の接続部を切り離すスイッチの役割を担う。 電力事業を展開する上で欠かせない機器だが、一般紙に登場したのは二〇〇七年一月、欧州委員会が日欧十社に対し、GIS事業で国際入札談合があったとして制裁金を科した時くらいだ。日本勢は「独占禁止法違反は行なっていない」と一斉に反発、欧州第一審裁判所へ提訴する日本企業も現れるなど業界は騒然としたものの、一般的には全く馴染みのない製品だ。 だが所変わって中国では、このGISが農地の強制収用をめぐる「鍵」を握る製品に様変わりする。なぜか。 GISと同じ機能は空気絶縁開閉装置(AIS)と呼ばれる変電機器にもある。スイッチ部分がガス中にあるか空気中かの違いだが、設置面積が異なる。平均すればGISの方が小さく、AISの半分以下で済む。 一基約二億円で納入される中国向け五十万ボルト級GISの設置面積は百五十―二百平方メートル。一カ所の変電所につき平均十基のGISを備える。変電所の面積の半分をGISが占めることもあるが、それでもAIS採用時と比べて、千五百―二千平方メートルの土地を節約できる。

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