まだ打止めではない「サブプライム・パニック」

執筆者:小田博利 2008年1月号
エリア: 北米

あのバブル崩壊後の日本と同じような姿に、米国が身をやつすのか。世界の金融市場に走った亀裂はそれほど大きい。日本を本当の衝撃が襲うのはこれからだ。 サブプライムローン(信用力の低い個人向けの住宅融資)のパニックが世界中を駆け巡っている。亀裂は米国内にとどまらず欧州にも走り、株式市場の動揺を通じて日本も右往左往している。ここ数年、意識されずに膨らんでいたマネーの連鎖の最も弱い部分の綻びが突かれている。 年の瀬を控えた韓国。十一月末以降、債券市場を売りの火砕流が襲った。売り手は韓国に進出した外資系金融機関である。仕組みはこうだ。 韓国は米国より金利が高いので、韓国の銀行は短期のドル資金を借りて、ウォンに転換して国内の融資に充ててきた。だが短期の対外債務の急増を懸念した韓国銀行(中央銀行)が、四月に外貨建ての借り入れの規制に踏み切った。 韓国内では資金の需要が大きいため、金融関係者は抜け道を探した。外資系の銀行が国外のドル資金を持ち込み、国内の銀行が持つウォン資金と交換した。この資金を元手に韓国の銀行は融資を増やす一方、外銀は手に入れたウォン資金で韓国国債への投資を増やした。 外国勢としては「金利が高い韓国の国債に投資することで、内外金利差による利ざやを稼げる上、ドル建て融資の手数料まで得られる一石二鳥の取引」(韓国紙『朝鮮日報』ネット版)だった。外国人投資家による韓国国債への投資額は二十二兆ウォン、日本円で二兆六千億円に上った。

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