「霞が関の埋蔵金」は間違いなく存在する

執筆者:高橋洋一 2008年1月号
エリア: 日本

増税論が頭をもたげる中、その前に“発掘”すべきといわれる「余り金」がある。増税派は「埋蔵金は伝説」と打ち消しに躍起だが、その真実は――。 自民党の財政改革研究会(与謝野馨会長)は十一月二十一日、財政健全化への道筋を示す「中間とりまとめ」を公表した。社会保障の安定的な財源を確保するため、団塊世代への年金支給が始まる二〇一〇年代半ばをめどに、消費税を一〇%程度まで引き上げることを盛り込んだ内容である。 私は八百兆円を超えるまでに膨れ上がったわが国の財政赤字を、このまま放置することはできないと考えている。もちろん財政再建は必要だ。ただ、そのために近い将来、消費税を上げる必要があるのかといえば、これに賛成することはできない。 というのも、財政再建を実現するために行なうべき施策は他にいくらでもあり、増税はそれらを実行したのちにとるべき最後の手段だからだ。 増税に先んじて行なわなければならない施策としては、まずマクロ経済の環境整備がある。最近一部の物価が上がったと報道されるが、経済全体としてはまだデフレだ。まともに働く人みんなの所得が上がるようになるまで、増税は適当でない。もう一つは、「霞が関の埋蔵金」と呼ばれている特別会計の精査である。さらにこれまでの歳出カットも必ずしも十分とはいえないだろう。

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執筆者プロフィール
高橋洋一 1955年東京都生れ。東京大学理学部数学科、経済学部卒。80年大蔵省(現財務省)入省。小泉・安倍内閣で竹中平蔵大臣補佐官、内閣参事官として郵政民営化、特別会計改革、公務員制度改革などに関わる。2008年に退官。09年政策コンサルティング会社「政策工房」設立。『恐慌は日本の大チャンス』(講談社)、『さらば財務省!』(同、山本七平賞)など著書多数。著書に『官僚のレトリック』(新潮社)がある。
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