「国民党大勝」でもまだ見えぬ台湾総統選の行方

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2008年2月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

「陳政権へのノー」という民意が示された立法院選。勝った国民党、敗れた民進党は三月二十二日の総統選で再激突する。[台北発]台湾で政治に関心がある人々の誰もが今年は「大きな節目になる」と感じている。台湾独立を志向する民進党にこのまま政権を任せるか、あるいは中国との融和的な政策を掲げる国民党に再び政権を渡すのか。 一九九〇年代に始まった台湾の民主化プロセスは、九六年の初の直接総統選挙を経て、二〇〇〇年に国民党から民進党への劇的な政権交代につながった。民主化運動を母体とする民進党が、戦後に独裁体制を敷いた国民党を一滴の流血もなく倒したことは、世界に驚きを与えた。〇四年の総統選でも民進党は連勝。そして八年間におよぶ執政の成績表が有権者から示されるのが今度の選挙だ。 民進党の勝利ならば同党が究極的に目指す「台湾国」建国への道のりは、かなりの程度、台湾住民の確固たる選択となるだろう。一方、国民党の勝利ならば時計の針は少なくとも九〇年代までの台湾に回帰し、中国と台湾の関係は「一つの中国」という共通の土俵に戻るだろう。 一月十二日に投開票された立法院(一院制の国会)選挙は、総統選の二カ月前という、台湾では過去に例のない事実上のダブル選挙の前半戦だった。しかし、明らかになった選挙結果は、総統選の前哨戦と位置づけるにはあまりに巨大な衝撃を台湾政局に与えるものだった。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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