昨年末の福田首相訪中を経て、四月上旬にも中国の胡錦濤国家主席が来日する方向だ。日本側は、東シナ海の領土領海問題が重要課題と位置づけるが、中国軍筋は「大きなプレゼントを用意している」とし、これまで国内調整で最大の障害だった「軍が一歩譲る」と明言した。 内容は調整中だが、領有権や境界線の問題は棚上げし、まずは共同開発の枠組みを話し合いの俎上に載せる方針。すでに操業中のガス田は除き、鉱脈が日中中間線をまたぐガス田の共同開発は「ぎりぎりまで柔軟に対応する」。同筋によると、中国外務省は「棚上げは譲歩ではない。日本企業が共同開発に名乗りをあげる可能性もほぼない。残る権益比率の交渉でも優位に立てば、名実ともに中国の勝利だ」と軍を説得したという。
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